ジュエリー生まれ変り日記

サイズ直しを断るということ

例えば、今乗っている自転車が街なかで突然パンクしたとします。見渡せば運良くサイクルショップがありました。あなたが持ち込むと—
「これは当店お買い上げの自転車じゃないですね。パンク修理は買って頂いたものだけなんです」。
—こんなことがあり得るでしょうか?

今はめている腕時計の電池が切れたとします。近くの時計店に持ち込むと—
「これはうちの商品じゃないですね。電池交換は買って頂いたものだけなんです」。
あり得ませんよね。

我がジュエリー業界では、悲しいことに未だこういった事態がまかり通っているようです。
試みにジュエリー関係のサイトを任意にいくつか見て回っても、「サイズ直しのみのご依頼はお断り」といったショップがたくさんあることに気づきます。
もしくは上のような、「当店お買い上げ以外のサイズ直しは不可」、とかね。

それでも「リフォーム」は受けていたりするわけで、「当店販売商品以外のリフォームは受けていない」と言うのであれば、その一貫した整合性に敬服もします。
が、そうではない以上、これではうちは手間の割りに儲からないことはやらないと言っているに等しく、こういった態度はジュエリー業界全体の信頼性を損なっていると言われても仕方ない。

サイズ直しを断るということ。
それは自転車屋さんがパンク修理を断る、時計屋さんが電池交換を断る、そういったことに匹敵する非常識な行いであると、そういったショップはぜひ自覚してほしいと思うのです。

勿論個々のショップは皆独立していて、業界団体の指令とかで動いているわけではないですが、それでも我々は、「ジュエリー業界」という大枠の中で働かせてもらっているわけです。
然りとすれば、指輪には必然的に付随するサイズ直しという仕事は、もはやジュエリーショップを名乗っている以上「義務」だとすら私は思うのです。
たとえそれが、他店の販売商品であったとしてもです。

売るだけで、他店の商品の修理(サイズ直し)はしないなんて、もうそろそろそういったユーザー無視の態度は駆逐されるべきでしょう。それは業界全体の信頼性を高めはしても、決して貶めることはないのです。
どちらがお客様本位であるか、どちらがジュエリー業界にとってよいことであるか、自ずと明らかでありましょう。

当サイトが「修理大歓迎」と謳った所以です。


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